インタビューの様子 |
一般的なラジオ放送との違い
稲田:私たち知ってるラジオというのは、音楽とかおしゃべりとかがあって、なにかしながら聞くみたいな...。同じラジオでもポートラジオはぜんぜん違いますよね。
生野:そうですね、先ほど仕事内容についての話でも説明したとおり私たちポートラジオは入港してくる船たちに必要な情報を提供するのが主な仕事内容となっています。ただ、情報を聞くだけじゃなくお互いの確認のために船とポートラジオとで通信し合うことも可能なのです。
稲田:そうなんですか!
生野:はい、常に聴取が義務づけられている周波数から話したい船舶を呼出し、互いに使用可能な周波数に変波して交信します。普通のラジオとの大きな違いはこれですかね。
稲田:船ごとに周波数を変えないといけないんですか?
浦野:基本的にこちらから発信する情報を聞くための周波数は決められているんです。それに合わせた船すべてが情報を聞くことが出来るんですが、その情報を聞いた船の中で何か疑問点があったり不備があったりして通信する必要がある船は別の周波数で通信します。
稲田:周波数さえ合わせればすべての船が聞けるわけですね。
浦野:そうですね。
稲田:それって例えば海沿いの家からでも情報を聞けたりできるんですか?
生野:電波を飛ばしている範囲がだいたい小豆島辺りまで届きます。通信可能範囲はポートアイランドから約50マイルです。1マイルは1,852mなので半径約90kmです。なので周波数さえ合わせれば海に近い地域なら聞くことは可能です。ただ、天候や障害物等の影響で聞けない地域もありますね。
ポートラジオの仕事
稲田:この仕事をしていて困ったことはありますか?
生野:ポートラジオは国内船だけではなく外国船とも通信をしているのですが、たまに英語が通じにくいこともあります。
稲田:外国船なのにですか?
浦野:外国船とはいっても中国やインドネシア等の英語圏外からくる船もあるんです。やりとりは英語で行いますので、ちゃんと伝わっているか注意深くやりとします
稲田:ポートラジオで仕事をしてきて何かやりがいはありますか?
生野:自分が発信した情報を頼りに船が無事着岸した時です。常に頼られる立場ですから責任重大なのでホッとします。
生野:初めて情報発信した時の緊張と喜びは今でも忘れません。
生野:基本的に船が好きな人。国家資格が必要ですが、入社してからもとることが出来ます。
浦野:近頃では男性だけではなく私のように女性もポートラジオで働いていますよ。
稲田:どうもありがとうございました。
インタビューアー:稲田龍一