2016年2月11日木曜日

神戸の歴史を目でたどる 2015/12/2


神戸市立博物館の常設展示

 神戸市立博物館といえば、「大英博物館展」といった特別展が有名ですが、実は常設展示コーナーも充実しているのを知っていますか? 常設展示コーナーでは神戸の歴史に関わるものが年代別に展示され、これらを見れば古代から現代までの神戸の歴史がわかるそうです。では早速いってみましょう。

江戸時代の兵庫津の様子がわかりやすく展示されている



開港前の神戸港

 今回、私が注目するのは神戸港の歴史です。

 神戸港といえば、メリケンパークのあたりを想像してしまいますが、1863年(慶応3年)開港当時の港は現在の兵庫港あたりでした。なぜこの場所が開港したか、それは平安時代からすでに港があったからだそうです。

 博物館には、江戸時代の兵庫港の様子を絵図や古文書でわかりやすく紹介しています。また、当時の船の20分の1の模型があり、当時の様子をイメージすることができます。



開港後の神戸港

次は、開港についての展示物を紹介します。

まず、開港が決定したのは、日米修好通商条約です。実際に開港するまでには10年の月日があり、その間にロシア軍艦が進入したり、日本が砲台を設置したりということが起こったそうです。

また、その当時の絵入りのロンドンの新聞が展示されています。

ロンドンの新聞に掲載された当時の神戸港 

 そして、神戸に来た外国人が住居を構えたり仕事をしたりするところとして外国人居留地ができました。この居留地の模型は、明治期のものと昭和前期のものの2種類あります。この模型は、200分の1の大きさで作られていて、細部までしっかりと作られています。この模型を見ると、居留地がどれだけ整然とした場所だったかがわかります。

 ちなみに居留地には明石町筋・播磨町筋・浪花町筋・京町筋・江戸町筋という名前がついた道がありますが、そもそもその土地が昔からそう呼ばれていたのでもなんでもなく、居留地が当時、知られていた町の名前をつけただけらしいです。びっくりですね!!

明治期の様子を再現した旧居留地の模型
 

 この居留地の下水管の一部が展示されていたりもします。この下水管は神戸市立博物館の近くでも見ることができます。そして、驚きなのがこの下水管はまだ現役で使われていることです! 

 今回は、神戸港に関わる展示を紹介しましたが、そのほかにも南蛮美術や硝子工芸など、ここならではコレクションがあり、これもまた見逃すことはできません。




神戸市立博物館ホームページ

http://www.city.kobe.lg.jp/culture/culture/institution/museum/main.html


取材協力:神戸市立博物館



取材:入江遥