2016年2月2日火曜日

神戸の港を守る生田神社と三宮神社 2016/1/10







  神戸市中央区にはいくつもの神社があり、港から海に出る人たちを守るためのものが多いようです。その中から、生田神社と三宮神社に行きました。

大人気の生田さん
 生田神社はJR三ノ宮駅からほど近いところにあり、アクセスの良さから多くの人が訪れていました。新年であったため、拝客でいっぱいでした。

 生田神社の由来は、201年にさかのぼります。「神功皇后(じんぐうこうごう)」が今の神戸港で船が進まなくなっていたところに「稚日女尊(わかひるめのみこと)」が現れ「生田の地に祭らしめ。(生田に祀らせてほしい)」と信託がありました。その後、神戸の布引山に祀られていましたが、山の崩壊の危険があったため、現在地にある生田の森に移転しました。



 生田神社内はいくつもの末社に分かれており、そのなかで大海神社は海上安全を祈願するものです。「猿田彦命(さるたひこのみこと)」が祀られています。豊臣秀吉が海外遠征の際に、海上安全のために猿田彦命を船内に祀ったという故事があるそうです。地元の漁師は古来よりこの神を深く信仰しており、神戸に来る船は厚い敬意を表したそうです。



 大海神社には、造船業、海運業のような海洋関係の企業が多く寄進しています。三菱や川崎のような大企業が名を連ねているところを見ると、非常に由緒ある場所なのだと分かりました。

650-0011 神戸市中央区下山手通1丁目2-1

 海と異文化を見続けた三宮神社
 次に、三宮神社に向かいました。今風の街並みの中にひっそりとたたずんでいます。この神社のほかに一宮神社から八宮神社があり、生田神社を囲むように点在しています。祀られているのは水の神である湍津姫命(たきつひめのみこと)。商売繁盛、航海安全のご加護があります。


 
 中はこじんまりとしていましたが、落ち着いた雰囲気でした。生田神社より来ている人は大幅に少なかったですが、神社の由緒を理解した上で来ているといった感じの人ばかりでした。
 
 
  この場所では神戸事件という外交問題がありました。備前藩の隊列の前をフランス人水兵が横切り、これを見た第3砲兵隊長が水兵にやりで突きかかってしまいました。これが外交問題となり、列強諸国との交戦に発展しました。写真は当時使用されたものと同型の大砲です。当時の朝廷の政策を開国和親に転換させるきっかけとなったほど大きな事件です。日本と外国の文化の認識の差によって起こってしまったのだと思いました。
 
三宮神社 650-0021 神戸市中央区三宮町2-4-4


終わりに
 神戸は比較的都会であり近代以降の文化が目立ちますが、神社のような古くから残る建造物もある不思議な街です。古今と和洋が複雑に入り交じり、ちょうどいいバランスに落ち着き、今の神戸を形作っているのだと思いました。



取材:高橋 祐貴