2016年2月11日木曜日

国際交流がテーマの博物館 2015/12/25





旧居留地に佇む重厚な建築、神戸市立博物館をたずねました。


京町筋を海の方向に歩くと博物館の堂々とした建物が右手に見える。


建物は新古典主義様式の名建築

 今回は神戸市立博物館に行ってきました。神戸でもっとも華やかな通りの一つ京町筋に面していて、付近一帯はかつて外国人居留地だった地域です。

 ここ神戸市立博物館は、神戸市立南蛮美術館と神戸市立考古館が統合し、神戸の歴史を展示に加えた人文系の博物館として昭和57年に開館しました。建物は昭和10年竣工の洋風建築(旧横浜正金銀行神戸支店)を活用し、特別展示室や収蔵庫のための新館を増築しました。建物正面に列柱が立ち並ぶ新古典主義様式を取り入れた、昭和初期の名建築と言われ国の登録文化財となっています。

国際交流がテーマの4大コレクション


桜ヶ丘銅鐸の展示


 この博物館は神戸らしく「国際文化交流」が基本テーマ、「桜ヶ丘銅鐸」「南蛮美術」「古地図」「ガラス工芸品」が4大コレクションとなっています。

 まず初めに銅鐸を見ました。銅鐸とは弥生時代の青銅器の一つで、使用目的はいまだに謎に包まれています。農業の豊作を願った祭器説や鳴らして音を聞く楽器や観賞用としての説も挙げられています。ここには国宝桜ヶ丘銅鐸が展示されていました。劣化など保管上の理由で一年間に2か月しか展示することができないデリケートなものだそうです。

 2つ目の南蛮美術は「南蛮屏風」や「泰西王侯騎馬図」、「聖フランシスコ・ザビエル像」などが展示されていました。特にザビエル像は、教科書でも見たことがあるものだったのでとても感動しました。





聖フランシスコ・ザビエル像 江戸時代 17世紀初期



 3つ目は、古地図です。この博物館には、良質ともに日本屈指の古地図コレクションが所蔵されているそうで、伊能忠敬の「伊能小図(西日本)」などがありました。

 4つ目はガラスのコレクションです。漆工・陶磁器・ガラス・染織物など約8,000点が展示されています。透明で澄み切ったものや、くすんで濁っているものなど様々なデザインのものがありました。 

 今回、取材ということで展示物をじっくりと見ました。神戸といえば、神戸港開港以降のイメージが一般的ですが、実は弥生時代からいろんな歴史や文化があったことを知りました。ここ神戸に神戸港が開港したのも、もともとは平安時代から栄えた港がこの地にあったからこそ。すべての歴史は繋がっているということを改めて感じました。



神戸市立博物館ホームページ

http://www.city.kobe.lg.jp/culture/culture/institution/museum/main.html


取材協力:神戸市立博物館


取材:切詰夏帆